「温泉で出入り禁止になることなんて、本当にあるの?」そう思う人もいるかもしれません。しかし、温泉施設で働いていると、実際に出入り禁止(出禁)措置を取ることがあります。
出禁は、都市伝説でも脅しでもなく、他の利用者や施設、スタッフの安全を守るために必要な措置です。多くの場合、悪質なマナー違反や迷惑行為が原因です。
今回は、温泉施設で出入り禁止になる行動と、現場で実際にあった事例について解説します。
出禁は実際に存在する
まず、出入り禁止措置が実際に行われていることを知っておきましょう。
「出入り禁止」は都市伝説ではない
温泉施設には、利用規約があり、それに違反した場合、出入り禁止措置を取る権利があります。
これは、施設の管理権に基づくもので、法的にも認められています。
現場で実際に出禁措置を取ることがある
温泉施設で働いていると、年に数回は出禁措置を取ることがあります。頻度は施設の規模や客層によって異なりますが、決して珍しいことではありません。
マナー違反の程度による
軽いマナー違反(タオルを湯船に入れる、かけ湯をしないなど)では、出禁になることはありません。注意や指導で済みます。
しかし、悪質な行為や、繰り返される迷惑行為に対しては、出禁措置を取ることがあります。
出禁になる可能性が高い行為(重度)
以下の行為は、一発で出入り禁止になる可能性が高いです。
①盗撮・撮影行為
脱衣所や浴室での盗撮や撮影行為は、最も悪質な行為の一つです。
スマートフォンやカメラを持ち込んで撮影した場合、即刻出入り禁止となり、警察に通報します。被害者がいる場合は、被害届も提出されます。
プライバシー侵害であり、犯罪行為です。

②他の利用者への迷惑行為(セクハラ、暴力)
他の利用者に対するセクハラや暴力行為は、絶対に許されません。
- じっと見つめる、つきまとう
- 体に触れる
- わいせつな言動
- 暴言、暴力
こうした行為が確認された場合、即刻出入り禁止となり、悪質な場合は警察に通報します。
③器物損壊
施設の設備や備品を故意に壊す行為は、出禁の対象です。
- ロッカーを蹴って壊す
- 鏡を割る
- 浴槽のタイルを剥がす
- ドアを破壊する
修理費用の請求と共に、出入り禁止措置を取ります。
④盗難
ロッカーや脱衣所から他人の財布や貴重品を盗む行為は、犯罪です。
防犯カメラの映像などで確認できた場合、即刻出入り禁止とし、警察に被害届を提出します。
⑤泥酔での入浴と暴言
泥酔状態で入浴し、他の利用者に絡んだり、暴言を吐いたりする行為は、出禁の対象です。
飲酒後の入浴は危険であるだけでなく、他の利用者の迷惑にもなります。何度も繰り返す場合は、出入り禁止となります。
⑥スタッフへの暴言・暴力
スタッフに対する暴言や暴力も、出禁の対象です。
- 理不尽なクレームと暴言
- 脅迫的な言動
- 物を投げる
- 体に触れる、殴る
スタッフの安全を守るため、悪質な場合は警察に通報し、出入り禁止とします。
⑦宗教勧誘
温泉施設内での宗教勧誘行為も、出入り禁止の対象です。
- 脱衣所や休憩室で声をかける
- パンフレットを配る
- 連絡先を聞き出そうとする
- しつこく勧誘する
温泉は、リラックスして過ごす場所です。他の利用者に迷惑をかける勧誘行為は、厳しく対処します。
何度注意しても改善しない場合や、複数の利用者から苦情が出た場合は、出入り禁止措置を取ります。
警告を受ける行為(中度)
以下の行為は、即刻出禁にはなりませんが、警告を受けたり、繰り返すと出禁になる可能性があります。
①タトゥーを隠さずに入浴
多くの温泉施設では、タトゥー・刺青がある場合、入浴を禁止しています。
小さなタトゥーであれば、シールで隠せば入浴可能な施設もありますが、隠さずに堂々と入浴すると、警告を受けます。
繰り返し注意しても従わない場合は、出入り禁止となります。
②大声での騒ぎ
浴室や脱衣所で大声で騒ぐ行為は、他の利用者の迷惑になります。
注意しても改善しない場合や、何度も繰り返す場合は、出入り禁止の対象となります。
③洗い場の長時間独占
混雑時に、洗い場を長時間独占する行為は、マナー違反です。
シャンプーやトリートメントを何種類も持ち込み、1時間以上洗い場を占拠するケースもあります。他の利用者から苦情が出ると、スタッフから注意を受けます。
④飛び込み、潜水
浴槽への飛び込みや潜水は、危険であり、他の利用者の迷惑になります。
特に子どもがこうした行為をしている場合、親に注意を促します。繰り返す場合は、退館をお願いすることもあります。
⑤子どもの放置・監督不足
子どもを放置して監督しない親も、問題です。
子どもが走り回る、大声で騒ぐ、他の利用者にぶつかるなどの行為を放置している場合、親に注意します。改善が見られない場合は、退館をお願いすることもあります。
⑥浴槽での排泄
浴槽の中で排泄する行為は、非常に不衛生であり、他の利用者への重大な迷惑行為です。
特に子どもがこうした行為をした場合、親の監督責任が問われます。悪質な場合や繰り返す場合は、出入り禁止の対象となります。
注意で済む行為(軽度)
以下の行為は、軽度のマナー違反であり、注意や指導で済みます。
①タオルを湯船に入れる
タオルを浴槽に入れるのは、温泉の基本的なマナー違反ですが、初心者によくある間違いです。
スタッフが優しく注意し、正しい方法を教えます。
②かけ湯をしない
かけ湯をせずにいきなり浴槽に入る人も、注意を受けることがあります。
かけ湯の重要性を説明し、改善を促します。
③髪をまとめない
髪が長いのにまとめずに入浴し、髪が湯船に浮いている場合、注意を受けます。
髪をまとめるよう、優しく声をかけます。
④脱衣所を濡らす
体を拭かずに脱衣所に入り、床を濡らす行為も、軽度のマナー違反です。
他の利用者が滑って転倒する危険があるため、注意を促します。
現場で実際にあった出禁事例

温泉施設で働いていて、実際に経験した出禁事例を紹介します。
①脱衣所での盗撮で警察沙汰
脱衣所で、スマートフォンを使って盗撮していた男性がいました。他の利用者が気づき、スタッフに通報しました。
すぐに警察に連絡し、現行犯逮捕となりました。もちろん、即刻出入り禁止です。
②酔って他の客に絡む
泥酔状態で入浴し、浴槽の中で他の利用者に絡む男性がいました。「一緒に飲もう」「何見てんだ」などと暴言を吐き、周囲の利用者が怖がっていました。
スタッフが注意しましたが、逆ギレして暴言を吐いたため、警察を呼び、退館してもらいました。その後、出入り禁止としました。
③スタッフへの暴言を繰り返す
些細なことで何度もクレームをつけ、スタッフに暴言を吐く常連客がいました。
「お前の態度が気に入らない」「責任者を呼べ」など、理不尽な要求を繰り返し、他の利用者の前でスタッフを怒鳴りつけることもありました。
何度も改善を求めましたが、変わらないため、最終的に出入り禁止としました。
④何度注意しても改善しない常習者
タトゥーを隠さず入浴し、何度注意しても改善しない人がいました。
「タトゥーOKの施設に行ってください」と伝えても、「差別だ」と言い張り、従いませんでした。他の利用者からも苦情が出たため、出入り禁止としました。
⑤施設の備品を盗む
脱衣所に置いてあるティッシュトイレットペーパーや、浴室のシャンプーボトルの中身を盗む人がいました。
スタッフが巡回中に発見し、事情聴取をしたところ認めたため出禁としました。
⑥宗教勧誘を繰り返す
浴室内で他の利用者に声をかけ、宗教の勧誘をする人がいました。何人もの利用者から「勧誘された」と苦情が入りました。
スタッフが注意しましたが、「ただ話しているだけ」と言い訳し、改善しませんでした。複数回の注意を経て、最終的に出入り禁止としました。
出禁の判断基準
出入り禁止にするかどうかは、次のような基準で判断します。
①他の利用者への危害
他の利用者に危害を加える、または不快感を与える行為は、重大な問題です。
盗撮、セクハラ、暴力、勧誘などは、即刻出禁の対象です。
②施設への損害
施設の設備や備品を壊したり、盗んだりする行為は、損害賠償請求と共に、出入り禁止とします。
③スタッフの安全
スタッフへの暴言や暴力は、絶対に許されません。スタッフの安全を守るため、毅然とした対応を取ります。
④改善の見込み
軽度のマナー違反であれば、注意や指導で改善を促します。しかし、何度注意しても改善しない場合は、出入り禁止を検討します。
⑤警察への通報の有無
盗撮、暴力、盗難など、犯罪に該当する行為は、警察に通報します。警察が介入した案件は、ほぼ確実に出入り禁止となります。
出禁措置の流れ
出入り禁止措置は、次のような流れで行われます。
①初回:口頭注意
軽度から中度のマナー違反の場合、まずは口頭で注意します。
マナー違反の内容を説明し、改善を求めます。多くの場合、これで改善されます。
②2回目以降:厳重注意
同じ人が再び同様のマナー違反を繰り返した場合、厳重注意を行います。
「次回同様の行為があった場合、出入り禁止とします」と明確に伝えます。
③出入り禁止の通告
それでも改善しない場合、または悪質な行為があった場合、出入り禁止を通告します。
「本日をもって、当施設のご利用をお断りします」と伝え、退館してもらいます。
④悪質な場合は即出禁
盗撮、暴力、盗難など、悪質な行為の場合は、注意なしで即刻出入り禁止とします。
警察への通報も同時に行います。
⑤顔写真を記録するケースも
悪質な出禁者については、顔写真や特徴を記録し、再来店を防ぎます。
防犯カメラの映像を保存したり、スタッフ間で情報共有したりします。
出禁後の対応
出入り禁止となった後の対応について説明します。
①再来店を拒否
出禁となった人が再び来店した場合、入館を拒否します。
受付で顔を確認し、「出入り禁止となっておりますので、ご利用いただけません」と伝えます。
②他のスタッフにも共有
出禁者の情報は、全スタッフに共有します。
顔写真や特徴、出禁となった理由などを記録し、誰が対応しても同じ対応ができるようにします。
③系列店にも情報共有
系列店がある場合、他の店舗にも情報を共有することがあります。
特に悪質な場合は、系列全店で出入り禁止とします。
④警察に被害届を出す場合も
盗撮、暴力、盗難など、犯罪行為があった場合は、警察に被害届を提出します。
被害者(他の利用者やスタッフ)の意向も確認しながら、法的措置を取ります。
迷惑行為を見かけたら
もし、他の利用者の迷惑行為を目撃したら、次のように対応しましょう。
①スタッフに報告する
迷惑行為を見かけたら、すぐにスタッフに報告してください。
- 盗撮やセクハラを目撃した
- 暴言や暴力を見た
- 子どもが放置されて危険
- 勧誘を受けた
スタッフが適切に対応します。
②直接注意するのは危険
自分で直接注意するのは、トラブルに巻き込まれる危険があります。
特に、暴力的な人や泥酔している人に対しては、近づかないようにしましょう。
③施設側の対応を信頼
スタッフに報告すれば、施設側が適切に対応します。注意、警告、退館、出禁など、状況に応じた措置を取ります。
利用者の安全と快適な利用を守るため、スタッフは日々努力しています。
スタッフからのお願い
温泉施設で働くスタッフからのお願いです。
①マナーを守れば楽しく利用できる
温泉は、ルールとマナーを守れば、誰でも気持ちよく楽しめる場所です。
ほとんどの利用者は、マナーを守って利用されています。出禁になるような人は、ごく一部です。
②ルールは利用者全員の快適さのため
温泉のルールやマナーは、すべての利用者が快適に過ごすために存在します。
一人の身勝手な行動が、多くの人の迷惑になることを理解してください。
③悪質な行為は毅然と対応する
スタッフは、利用者の安全と快適な利用を守るため、悪質な行為には毅然とした対応を取ります。
出入り禁止は、最後の手段ですが、必要であれば躊躇なく実施します。
④困ったことがあればスタッフへ
何か困ったことや、迷惑行為を目撃した場合は、遠慮なくスタッフに声をかけてください。
私たちは、皆さんが気持ちよく温泉を楽しめるよう、全力でサポートします。
まとめ
温泉施設で出入り禁止になる行動は、主に悪質なマナー違反や迷惑行為です。
出禁になる可能性が高い行為:
- 盗撮・撮影行為
- セクハラ、暴力
- 器物損壊
- 盗難
- 泥酔での入浴と暴言
- スタッフへの暴言・暴力
- 宗教勧誘
警告を受ける行為:
- タトゥーを隠さずに入浴
- 大声での騒ぎ
- 洗い場の長時間独占
- 飛び込み、潜水
- 子どもの放置・監督不足
- 浴槽での排泄
注意で済む行為:
- タオルを湯船に入れる
- かけ湯をしない
- 髪をまとめない
- 脱衣所を濡らす
出禁措置の流れ:
- 初回:口頭注意
- 2回目以降:厳重注意
- 出入り禁止の通告
- 悪質な場合は即出禁
- 顔写真を記録するケースも
出禁後の対応:
- 再来店を拒否
- 他のスタッフにも共有
- 系列店にも情報共有
- 警察に被害届を出す場合も
温泉は、誰もが気持ちよく過ごせる公共の場です。ルールとマナーを守って、楽しく利用しましょう。
出入り禁止にならないために、当サイトの「温泉の正しい入り方」の記事も参考にしてください。
マナーを守って、素晴らしい温泉体験を楽しんでください。


