安全衛生管理

温泉施設の安全衛生管理は、お客様の見えないところで毎日地道に続けられている、施設運営の根幹です。「お湯がきれいなのは当たり前」と思われがちですが、その当たり前を維持するために、現場では多くの作業が行われています。

このカテゴリーでは、温泉施設で実際に行われている安全衛生管理を、現役スタッフかつ2級ボイラー技士の視点で解説しています。

最大のリスク・レジオネラ菌

温泉施設の衛生管理で最も警戒すべきなのが、レジオネラ菌です。重症化すれば命に関わる感染症を引き起こし、過去には集団感染で営業停止になった施設も少なくありません。その危険性と感染経路は温泉のレジオネラ菌って何が危険?、菌の温床となるヌメリ(バイオフィルム)への対策は浴槽のヌメリ対策、保健所による立入検査の実際は保健所の立入検査では何を見られる?で詳しく解説しています。

お湯をきれいに保つ仕組み

お湯は入浴者の汗・皮脂・垢などで日々汚れていきます。それを取り除く循環ろ過装置の仕組みは温泉のろ過と逆洗って何?、消毒に使われる塩素については消毒(塩素)は温泉の質を下げるのか、消毒効果を数値で測る指標はORPって何?で取り上げています。「循環式は質が悪い」というイメージへの答えは循環式温泉のメリット・デメリットでお伝えしています。

日々の管理業務

スタッフは毎日、残留塩素・pH・水温などをチェックし、記録に残しています。実際の業務は温泉施設の水質管理は毎日何をしている?で公開、清掃手順は温泉施設の清掃はどうやっているの?、配管の内部洗浄については温泉施設の配管洗浄とは?で解説しています。

浴槽で目にする「異物」の正体

浴槽に浮かぶ垢白い湯の花、稀に発生する排泄物トラブル——お客様が目にする異物の正体と、施設側の対応を、それぞれの記事で正直に書いています。

温泉を「行く」のではなく「知る」ためのカテゴリーとして、施設運営のリアルをお伝えしていきます。

安全衛生管理

温泉の集毛器(ヘアキャッチャー)とは?|毎日の洗浄が必要な理由と手順

浴槽のお湯は、吸い込み口から吸い上げられ、ろ過器を通ってきれいになり、再び浴槽へ戻ってきます。この循環の道すじで、ろ過器の手前に置かれているのが「集毛器(しゅうもうき)」——ヘアキャッチャーです。名前のとおり、髪の毛を捕まえるためのカゴです...
安全衛生管理

温泉の薬注装置と薬液タンクとは?|塩素注入の仕組みとノズル洗浄の注意点

浴槽の残留塩素は、スタッフが手作業でひしゃくを使って入れているわけではありません。多くの温浴施設では、機械室に設置された「薬注装置」が、決められた量の次亜塩素酸ナトリウムを自動で注入し続けています。この装置と、薬液を貯めておく「薬液タンク」...
安全衛生管理

温泉施設の嘔吐物対応|ノロウイルス対策と次亜塩素酸ナトリウムの作り方

温浴施設で働いていると、避けられない対応のひとつが嘔吐物(吐瀉物)の処理です。浴室で、脱衣所で、あるいは休憩処で——お客様が吐いてしまう場面は、決して珍しいことではありません。この対応は、単に「片付ける」だけでは済みません。原因によって声の...
安全衛生管理

温泉の換水とは?|法令で決まる頻度と緊急換水の判断基準

温浴施設の裏側で、日々もっとも手間と時間をかけている作業のひとつが「換水(かんすい)」です。浴槽のお湯をすべて抜き、清掃し、新しく張り直す——文字にすると単純ですが、大きな浴槽をいくつも抱える施設では、これは一日仕事になります。換水は、施設...
安全衛生管理

温泉施設で塩素が上がらない!|原因8つと現場の対処法を現場スタッフが解説

浴槽の残留塩素を測ったら基準を下回っていた——温浴施設で働いていると必ず直面する場面です。塩素は入れているはずなのに数値が上がらない。焦って追加投入したくなりますが、まずやるべきは原因の切り分けです。残留塩素が不足した状態は、レジオネラ属菌...
安全衛生管理

温泉における換気の重要性とは?|カビ・サビ対策の材質、モヤによる視界不良と転倒リスクを現場スタッフが解説

浴室に入った瞬間、もわっとした湿気と熱気に包まれる——温泉やスーパー銭湯ではおなじみの感覚です。あの心地よさの裏側で、施設側がかなり気を遣っているのが「換気」です。換気は地味で目立たない設備ですが、衛生面でも安全面でも、浴室の快適さを根本か...
安全衛生管理

温泉の塩素濃度を抑える中和剤とは?|塩素が上がりすぎたときの投入タイミングを現場スタッフが解説

温浴施設の水質管理をしていると、「残留塩素が基準より高くなりすぎてしまった」という場面に出くわすことがあります。塩素は浴槽の衛生を保つために欠かせないものですが、入れすぎれば肌への刺激やにおいの原因になり、お客様からの「塩素くさい」という声...
安全衛生管理

温泉の浴槽に垢が浮いてる…これって汚い?|原因と施設の対処を現場スタッフが解説

浴槽に浸かろうとしたら、水面に白っぽい薄い膜のようなものがふわふわ浮いている——。「これ、誰かの垢じゃない?」温泉施設のスタッフとして正直に言うと、その直感は当たっていることが多いです。浴槽に浮遊する白〜半透明の薄片状の異物は、入浴者の皮膚...
安全衛生管理

温泉施設の水質管理は毎日何をしている?|残留塩素・pH・温度チェックの現場を公開

温泉施設に来ると、きれいなお湯が当たり前のように浴槽に張られています。お客様からすれば「いつ来ても同じお湯が同じように出ている」のが当然だと思いますし、そうあるべきです。でも、その「当たり前」の裏側には、毎日繰り返される地味な作業があります...
安全衛生管理

温泉施設の配管洗浄とは?|種類・効果・タイミングを現場スタッフが解説

塩素を入れて、ろ過装置を回して、逆洗もやっている。それなのに、なぜ配管洗浄が必要なのか。答えはシンプルです。塩素もろ過も、配管の内側までは届かないからです。温泉施設の配管は、浴槽とろ過装置をつなぐ「血管」のような存在です。その内壁には、日々...