温泉で肌が荒れる人がやりがちなミス|敏感肌を守る正しい入浴法とケア

悩みトラブル

温泉は好きだけど、入るたびに肌がピリピリしたり、赤くなったり、乾燥がひどくなったりする…そんな悩みを抱えている人は意外と多いのではないでしょうか。

温泉施設で働いていると、「肌が荒れやすいんですが、どうすればいいですか?」という質問をよく受けます。実は、肌トラブルの多くは、入浴法や入浴後のケアを少し変えるだけで改善できるケースがほとんどです。

今回は、温泉で肌が荒れる人がやりがちなミスと、その対策について解説します。

温泉で肌が荒れる主な原因

温泉による肌トラブルには、いくつかの原因があります。

①泉質が肌に合っていない

温泉にはさまざまな泉質があり、中には刺激が強いものもあります。特に敏感肌の人には、泉質選びが重要です。

②長湯しすぎ

「せっかく温泉に来たから」と長時間浸かりすぎると、皮膚のバリア機能が低下し、乾燥や刺激を受けやすくなります。

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③熱いお湯に入りすぎ

熱めのお湯は皮脂を過剰に取り除き、肌の乾燥を招きます。

④タオルでゴシゴシ拭く

温泉に浸かった後の肌は柔らかくデリケートな状態です。強く拭くと刺激になります。

⑤入浴後の保湿不足

これが最も多い原因です。温泉後の肌は水分が蒸発しやすく、急速に乾燥が進みます。適切な保湿ケアをしないと、肌荒れや乾燥が悪化します。

やりがちなミス①:泉質を確認せずに入る

温泉はすべて肌に優しいわけではありません。泉質によって刺激の強さが大きく異なります。

敏感肌に刺激が強い泉質

酸性泉(pH3以下)
殺菌力が強く「美肌の湯」とも呼ばれますが、刺激も強いです。ピリピリとした感覚があり、敏感肌の人には負担になることがあります。

硫黄泉
独特の香りと効能がありますが、肌への刺激が強めです。長湯は避けたほうが無難です。

強アルカリ性泉(pH9以上)
肌の角質を溶かす作用があり、「美肌の湯」として人気ですが、敏感肌の人には刺激になることがあります。

敏感肌におすすめの泉質

単純温泉
成分が薄く、刺激が最も少ないタイプです。肌が弱い人でも安心して入れます。

弱アルカリ性泉(pH7.5〜8.5程度)
適度に肌を柔らかくしつつ、刺激は穏やかです。

塩化物泉
保温効果が高く、比較的刺激が少ないです。ただし、傷がある場合はしみることがあります。

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温泉成分表示で確認するポイント

浴室に掲示されている温泉成分表示で、以下を確認しましょう。

  • 泉質: 単純温泉、塩化物泉などの表記
  • pH: pH7付近が刺激が少ない

やりがちなミス②:長湯しすぎる

「温泉に来たからには、たっぷり浸かりたい」という気持ちはわかりますが、長湯は肌にとって負担になります。

長湯が肌に与える影響

長時間お湯に浸かると、皮膚の表面を守っている皮脂膜が洗い流され、バリア機能が低下します。その結果、外部刺激を受けやすくなり、乾燥や肌荒れが起こりやすくなります。

理想的な入浴時間

敏感肌の人は、1回5〜10分程度を目安にしましょう。どうしても長く入りたい場合は、分割浴(5分入浴→休憩→5分入浴)がおすすめです。

温泉施設で働いていても、スタッフが長湯をしないのは、肌への負担を知っているからです。

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やりがちなミス③:上がり湯をしない

温泉の泉質によっては、成分が肌に残り続けることで刺激になる場合があります。

上がり湯をすべき泉質

酸性泉硫黄泉
これらの刺激が強い泉質は、上がる際にシャワーで軽く流すことをおすすめします。成分を洗い流すことで、入浴後の肌への刺激を軽減できます。

上がり湯をしないほうが良い泉質

単純温泉塩化物泉
保温効果や保湿効果がある泉質は、あえて成分を肌に残したほうが良い場合もあります。ただし、敏感肌で刺激を感じる場合は、軽く流しても問題ありません。

判断に迷ったら

自分の肌の状態を優先しましょう。少しでもピリピリ感や違和感がある場合は、シャワーで軽く流すのが安全です。

やりがちなミス④:タオルで強く拭く

温泉に浸かった後の肌は、ふやけて柔らかくなり、非常にデリケートな状態です。

正しい拭き方

  • タオルでゴシゴシこすらない
  • 優しく押さえるように水分を吸い取る
  • 顔や首など、特に敏感な部分は丁寧に

強くこすると、肌表面に細かい傷がつき、そこから刺激物質が侵入したり、乾燥が進んだりします。

やりがちなミス⑤:入浴後の保湿を怠る

温泉で肌が荒れる最大の原因が、入浴後の保湿不足です。

なぜ温泉後は乾燥しやすいのか

温泉に入ると、肌の水分量は一時的に増えますが、入浴後は急速に水分が蒸発していきます。特に温泉成分が肌に残っている場合、蒸発が早まることもあります。

また、長湯や熱いお湯によって皮脂膜が失われているため、肌のバリア機能が低下しており、乾燥が進みやすい状態です。

保湿のゴールデンタイム

肌の水分が急速に失われるのは、入浴後5〜10分以内です。このタイミングで保湿ケアをしないと、入浴前よりも乾燥が進んでしまう「過乾燥」という状態になります。

つまり、入浴後はできるだけ早く保湿することが重要です。

温泉後に必要な保湿ケア

①顔のケア
化粧水→美容液→乳液orクリームの順で、しっかり保湿します。敏感肌用のスキンケアを選びましょう。

②体のケア
ボディクリームやボディローションで全身を保湿します。特に乾燥しやすい部位(腕、脚、背中)は念入りに。

温泉施設の脱衣所でも、すぐに保湿できるよう、化粧水やボディクリームを持参することをおすすめします。

温泉後の肌におすすめのボディクリーム

敏感肌の人が温泉後に使うボディクリームは、以下のポイントで選びましょう。

①敏感肌用・低刺激タイプ

刺激の少ない成分で作られた、敏感肌専用のボディクリームがおすすめです。アルコールフリー、パラベンフリーなど、刺激成分を避けた処方のものを選びましょう。

特徴:

  • 皮膚科医監修や、敏感肌テスト済みの商品
  • 赤ちゃんにも使える優しい処方
  • 無香料・無着色

②セラミド配合タイプ

セラミドは、肌のバリア機能を構成する重要な成分です。温泉で失われたバリア機能を補うのに効果的です。

特徴:

  • 肌の保湿力を高める
  • バリア機能を回復させる
  • 乾燥による肌荒れを防ぐ

③無香料・無添加タイプ

香料や着色料などの添加物は、敏感な肌には刺激になることがあります。できるだけシンプルな処方のものを選びましょう。

特徴:

  • 余計な成分が入っていない
  • 香りに敏感な人でも使える
  • 肌への負担が最小限

④高保湿タイプ

温泉後の急速な乾燥に対抗するため、保湿力の高いクリームを選びましょう。ヒアルロン酸、コラーゲン、グリセリンなどの保湿成分が豊富なものがおすすめです。

特徴:

  • しっとりとした使用感
  • 長時間うるおいをキープ
  • 乾燥肌・超乾燥肌にも対応

おすすめの使い方

温泉施設で: 小さめサイズのボディクリームを持参し、着替える前に塗ります。特に乾燥しやすい腕、脚、お腹周りを重点的に。

帰宅後: 夜寝る前にもう一度、全身にたっぷり塗ります。温泉の効果を保ちつつ、肌をしっかり保護できます。

人気の敏感肌用ボディクリーム

医薬部外品タイプ
肌荒れやかゆみを防ぐ有効成分が配合された、医薬部外品のボディクリーム。温泉後の敏感な肌をしっかり守ります。

皮膚科医推奨ブランド
皮膚科医が開発に関わった敏感肌専用ブランドのボディクリーム。刺激を徹底的に排除した処方で、安心して使えます。

オーガニック・ナチュラル系
天然由来成分にこだわったボディクリーム。化学成分が苦手な人におすすめです。

セラミド高配合タイプ
複数種類のセラミドを高濃度で配合し、バリア機能の回復に特化したボディクリーム。

温泉施設スタッフから見た肌トラブル予防のポイント

現場で多くの利用者を見てきた経験から、肌トラブルを防ぐためのポイントをまとめます。

①泉質選びを慎重に

初めての温泉地では、まず単純温泉や弱アルカリ性泉から試してみましょう。刺激が強い泉質は、肌の調子が良いときに短時間だけ入るのが安全です。

②入浴時間を守る

「もったいない」と思って長湯しないこと。短時間でも十分に温泉の効果は得られます。

③入浴後のケアを最優先に

着替えや髪を乾かす前に、まず保湿ケアを。これが最も重要です。

④体調が悪いときは無理しない

肌のバリア機能は体調に左右されます。疲れているときや睡眠不足のときは、普段より刺激を感じやすくなります

⑤水分補給を忘れずに

脱水状態は肌の乾燥を悪化させます。入浴前後にしっかり水分を取りましょう。

まとめ

温泉で肌が荒れる人の多くは、入浴法や入浴後のケアに問題があります。

やりがちなミス:

  • 泉質を確認せずに入る(刺激の強い泉質を避ける)
  • 長湯しすぎる(5〜10分程度が理想)
  • 上がり湯をしない(刺激が強い泉質では流す)
  • タオルで強く拭く(優しく押さえるように)
  • 入浴後の保湿を怠る(最重要)

肌トラブルを防ぐ対策:

  • 単純温泉や弱アルカリ性泉など、刺激の少ない泉質を選ぶ
  • 入浴時間を5〜10分程度に抑える
  • 敏感肌の場合は上がり湯をする
  • タオルで優しく拭く
  • 入浴後5分以内に保湿ケアをする

温泉後の保湿に最適なボディクリーム:

  • 敏感肌用・低刺激タイプ
  • セラミド配合タイプ
  • 無香料・無添加タイプ
  • 高保湿タイプ

温泉は本来、肌に良い効果をもたらすものです。正しい入浴法と、適切な保湿ケアを行えば、敏感肌の人でも安心して温泉を楽しめます。

特に入浴後の保湿は、温泉による肌トラブルを防ぐ最も重要なポイントです。自分の肌に合ったボディクリームを見つけて、温泉後のケアを習慣にしましょう。

正しいケアで、温泉の恩恵をしっかり受け取りながら、美しい肌を保ちましょう。

【参考文献】

・環境省 自然環境局長通知「温泉法第18条第1項の規定に基づく禁忌症及び入浴又は飲用上の注意の掲示等の基準」(平成26年7月1日改訂)— 入浴時間(初め3〜10分、慣れたら15〜20分)、掛け湯、高温浴の注意、泉質別禁忌症・適応症  https://www.env.go.jp/nature/onsen/docs/index.html

・環境省「鉱泉分析法指針(平成26年改訂)」— 療養泉10種の分類(単純温泉・塩化物泉・炭酸水素塩泉・硫酸塩泉・二酸化炭素泉・含鉄泉・酸性泉・含よう素泉・硫黄泉・放射能泉)、pH区分 環境省「温泉法に関する通知・ガイドライン等」  https://www.env.go.jp/nature/onsen/docs/index.html

・日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021」(日本皮膚科学会雑誌 131巻13号 2691-2777)— 皮膚のバリア機能、保湿剤の使用方法  https://www.dermatol.or.jp/

・野澤茜・大谷道輝・松元美香 ほか「保湿剤の効果に及ぼす入浴と塗布時期の関係」日本皮膚科学会雑誌 121巻 1421-1426(2011)— 入浴後の保湿タイミングに関する臨床研究

・公益財団法人 日本温泉気候物理医学会「温泉療養指針」— 温泉浴と皮膚への影響、入浴指導  http://www.onki.jp/

・厚生労働省「健康のため水を飲もう」推進運動 — 入浴前後の水分補給  https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suido/nomou/index.html

・一般財団法人 日本健康開発財団 温泉医科学研究所 — 温泉と健康に関する研究  https://www.jph-ri.or.jp/

ひねこじた 温泉

温浴施設で働く現役スタッフ。2級ボイラー技士と地質学のバックグラウンドを活かして、ガイドブックに載らない温泉の裏側を施設スタッフ目線で発信しています。

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