温泉の湯あたりとは?|症状・原因・予防法を解説

温泉の悩み・体トラブル

温泉を楽しんだ後、なんだか体がだるい、頭が痛い、気持ち悪い…そんな経験はありませんか?それは「湯あたり」と呼ばれる現象かもしれません。

湯あたりとは、温泉に入浴した後に起こる一時的な体調不良のことです。医学的に明確な定義があるわけではありませんが、温泉地や温浴施設では広く認識されている現象です。

温泉施設で働いていると、「湯あたりしてしまった」という声を時々聞きます。特に温泉に慣れていない人や、久しぶりに温泉に入った人に起こりやすい症状です。今回は、湯あたりの症状、原因、そして予防法について詳しく解説します。

  1. 湯あたりとは何か
    1. 湯あたりと湯疲れの違い
    2. のぼせとの違い
  2. 湯あたりの主な症状
    1. ①倦怠感・疲労感
    2. ②めまい・立ちくらみ
    3. ③頭痛
    4. ④吐き気
    5. ⑤発熱(軽度)
    6. ⑥下痢
    7. 発症するタイミング
  3. 湯あたりが起こる原因
    1. ①長湯による疲労
    2. ②温泉成分による刺激
    3. ③脱水症状
    4. ④急激な温度変化
    5. ⑤空腹・満腹での入浴
    6. ⑥体調不良時の入浴
  4. 湯あたりしやすい人の特徴
    1. ①初めて温泉に入る人
    2. ②普段温泉に行かない人
    3. ③高齢者
    4. ④子ども
    5. ⑤体調が優れない人
    6. ⑥疲労が溜まっている人
  5. 湯あたりしやすい泉質
    1. 硫黄泉
    2. 酸性泉
    3. 放射能泉(ラドン泉・ラジウム泉)
    4. 炭酸泉
    5. 濃い温泉全般
    6. 湯あたりしにくい泉質
  6. 湯あたりの予防法
    1. ①入浴時間を短く(5〜10分)
    2. ②分割浴を心がける
    3. ③水分補給をこまめに
    4. ④食後すぐの入浴を避ける
    5. ⑤温泉に慣れるまで刺激の少ない泉質を選ぶ
    6. ⑥かけ湯をしっかり行う
    7. ⑦無理をしない
    8. ⑧湯温が高すぎる場合は水で薄める
  7. 湯あたりになってしまったら
    1. ①すぐに入浴を中止
    2. ②涼しい場所で休む
    3. ③水分・塩分補給
    4. ④安静にする
    5. ⑤症状が重い場合は医療機関へ
  8. 湯あたりとレジオネラ症の見分け方
    1. 湯あたりの特徴
    2. レジオネラ症の特徴
  9. 温泉施設スタッフから見た湯あたり対策
    1. ①体調を見ながら入浴する重要性
    2. ②休憩スペースの活用
    3. ③無理せず楽しむことが大切
    4. ④温泉に慣れるには時間がかかる
  10. まとめ

湯あたりとは何か

湯あたりと湯疲れの違い

湯あたり:
温泉の成分や刺激によって起こる体調不良。温泉特有の現象で、普通のお風呂では起こりにくい。

湯疲れ:
長湯や熱いお湯による疲労。温泉でもお風呂でも起こる。単純な体力消耗が原因。

両者は厳密には区別されませんが、温泉成分による影響が大きい場合を「湯あたり」と呼ぶことが多いです。

のぼせとの違い

のぼせ:
熱いお湯や長湯によって、急激に体温が上昇し、めまいや立ちくらみが起こる状態。入浴中または入浴直後に起こる。

湯あたり:
入浴後、数時間から翌日にかけて徐々に症状が現れることが多い。

のぼせは急性の症状、湯あたりはより緩やかに進行する症状という違いがあります。

湯あたりの主な症状

湯あたりの症状は人によって異なりますが、代表的なものは次の通りです。

①倦怠感・疲労感

全身がだるく、動くのが億劫に感じます。温泉で疲れが取れるはずが、逆に疲れたような感覚になります。

②めまい・立ちくらみ

ふらつきや、立ち上がったときの立ちくらみが起こります。血圧の変動や脱水が原因のことが多いです。

③頭痛

鈍い頭痛や、ズキズキとした痛みが出ることがあります。脱水や血管の拡張が関係しています。

④吐き気

胃がムカムカする、気持ち悪いといった症状が出ることがあります。

⑤発熱(軽度)

微熱程度の発熱が出ることがあります。体が温泉の刺激に反応している状態です。

⑥下痢

消化器系に影響が出て、軽い下痢症状が現れることもあります。

発症するタイミング

湯あたりの症状は、入浴中や直後ではなく、数時間後から翌日にかけて現れることが多いのが特徴です。そのため、「温泉のせいだ」と気づきにくいこともあります。

湯あたりが起こる原因

湯あたりには、いくつかの原因が考えられます。

①長湯による疲労

温泉に長時間浸かると、体温上昇や発汗によって体力を消耗します。特に熱めのお湯では、心臓や血管に負担がかかり、疲労が蓄積します。

②温泉成分による刺激

温泉に含まれる硫黄、炭酸ガス、酸性成分などが、皮膚や粘膜を刺激します。また、体内に微量に吸収された成分が、体に影響を与えることもあります。

昔から「好転反応」として、体が温泉の効能に反応して一時的に不調が出るという考え方もありますが、医学的根拠は十分ではありません。

③脱水症状

温泉では大量の汗をかくため、気づかないうちに脱水状態になっていることがあります。脱水は、頭痛、めまい、倦怠感などの原因になります。

④急激な温度変化

脱衣所の寒さから熱いお湯への急激な温度変化は、血圧の乱れを招きます。これが体調不良の引き金になることもあります。

⑤空腹・満腹での入浴

空腹時の入浴は、低血糖を招き、めまいや吐き気の原因になります。逆に、満腹時の入浴は消化不良を起こすことがあります。

⑥体調不良時の入浴

風邪気味、寝不足、疲労が溜まっているときに無理に温泉に入ると、体への負担が大きくなり、湯あたりしやすくなります。

湯あたりしやすい人の特徴

以下のような人は、湯あたりを起こしやすい傾向があります。

①初めて温泉に入る人

体が温泉の成分に慣れていないため、刺激を強く受けやすいです。

②普段温泉に行かない人

久しぶりの温泉では、体が対応しきれず、湯あたりしやすくなります。

③高齢者

体温調節機能や体力が低下しているため、温泉の負担を受けやすいです。

④子ども

体が小さく、温泉の刺激に対して敏感です。のぼせやすく、疲れやすい傾向があります。

⑤体調が優れない人

風邪気味、睡眠不足、疲労が溜まっているときは、普段以上に湯あたりしやすくなります。

⑥疲労が溜まっている人

日頃の疲れを癒すために温泉に行ったのに、逆に湯あたりを起こしてしまうケースもあります。疲れているときこそ、短時間の入浴にとどめるべきです。

湯あたりしやすい泉質

泉質によっても、湯あたりのしやすさは異なります。

硫黄泉

独特の硫黄臭があり、成分が濃い温泉です。皮膚や呼吸器への刺激が強く、湯あたりしやすい泉質の代表です。

酸性泉

pH値が低く(pH3以下)、殺菌力が強い反面、肌への刺激も強いです。長湯すると湯あたりのリスクが高まります。

放射能泉(ラドン泉・ラジウム泉)

微量の放射線を含む温泉で、体への刺激があります。温泉に慣れていない人は注意が必要です。

炭酸泉

炭酸ガスが血管を拡張させるため、血圧が急激に下がることがあります。立ちくらみやめまいが起こりやすいです。

濃い温泉全般

成分が濃い温泉ほど、体への刺激が強く、湯あたりしやすくなります。温泉成分表示で「溶存物質総量」が多い温泉は要注意です。

湯あたりしにくい泉質

単純温泉は成分が薄く、刺激が少ないため、湯あたりしにくい泉質です。温泉初心者や体調が優れないときは、単純温泉から試すのがおすすめです。

湯あたりの予防法

湯あたりを防ぐには、次のポイントを守りましょう。

①入浴時間を短く(5〜10分)

「せっかく温泉に来たから」と長湯したくなる気持ちはわかりますが、1回の入浴は5〜10分程度にとどめましょう。十分に温まれますし、体への負担も少なくなります。

②分割浴を心がける

長時間入りたい場合は、5分入浴→5分休憩→5分入浴のように、分割して入ることをおすすめします。体への負担を分散でき、湯あたりのリスクを減らせます。

温泉施設で働いているスタッフも、この方法で入浴しています。

③水分補給をこまめに

入浴前、入浴中の休憩時、入浴後に、それぞれコップ1杯程度の水を飲みましょう。脱水を防ぐことで、湯あたりのリスクが大幅に下がります。

アルコールは利尿作用があるため、水分補給にはなりません。入浴前後の飲酒は避けましょう。

④食後すぐの入浴を避ける

食後30分〜1時間は、入浴を控えましょう。逆に、空腹すぎるときも避け、軽く何か食べてから入浴するのが理想的です。

⑤温泉に慣れるまで刺激の少ない泉質を選ぶ

初めての温泉や、久しぶりの温泉では、単純温泉や弱アルカリ性泉など、刺激の少ない泉質から始めましょう。徐々に体を慣らしていくことが大切です。

⑥かけ湯をしっかり行う

いきなり浴槽に入らず、足元から順にかけ湯をして、体を温泉の温度に慣らします。これにより、急激な温度変化による負担を軽減できます。

⑦無理をしない

体調が優れないとき、疲れているとき、寝不足のときは、無理に温泉に入らないか、ごく短時間にとどめましょう。

「せっかく来たのだから」という気持ちはわかりますが、湯あたりして旅行が台無しになるよりは、体調を優先したほうが賢明です。

⑧湯温が高すぎる場合は水で薄める

熱すぎるお湯は体への負担が大きいです。可能であれば、湯温が低めの浴槽を選ぶか、自宅のお風呂なら水を加えて調整しましょう。

湯あたりになってしまったら

もし湯あたりの症状が出た場合は、次のように対処しましょう。

①すぐに入浴を中止

症状が出始めたら、無理せずすぐに浴槽から出ましょう。我慢して入り続けると、症状が悪化します。

②涼しい場所で休む

脱衣所や休憩室など、涼しく風通しの良い場所で横になって休みます。体を冷やしすぎないよう、タオルや上着で調整しましょう。

③水分・塩分補給

水やスポーツドリンクで、失われた水分と塩分を補給します。少しずつ、ゆっくり飲むのがポイントです。

④安静にする

無理に動かず、しばらく安静にしていれば、多くの場合は数時間から半日程度で症状が治まります。

⑤症状が重い場合は医療機関へ

以下のような症状がある場合は、湯あたりではなく、別の病気の可能性もあります。すぐに医療機関を受診しましょう。

  • 激しい頭痛や吐き気が続く
  • 意識がもうろうとする
  • 高熱(38℃以上)が出る
  • 呼吸が苦しい
  • 胸痛がある

湯あたりとレジオネラ症の見分け方

温泉後の体調不良で注意すべきなのが、レジオネラ症との区別です。

湯あたりの特徴

  • 症状は軽度〜中程度
  • 数時間から1日程度で自然に回復する
  • 発熱があっても微熱程度(37℃台)
  • 呼吸器症状(咳、痰)はほとんどない

レジオネラ症の特徴

  • 高熱(38℃以上)が続く
  • 激しい咳や痰が出る
  • 呼吸困難
  • 筋肉痛や倦怠感が強い
  • 温泉利用後、2〜10日の潜伏期間がある

もし温泉利用後に高熱や激しい咳が出た場合は、すぐに医療機関を受診し、「温泉を利用した」ことを医師に伝えてください。

詳しくは当サイトの「温泉の「レジオネラ菌」って何が危険?」の記事もご参照ください。

温泉施設スタッフから見た湯あたり対策

現場で働いていると、湯あたりを防ぐために大切だと感じるポイントがあります。

①体調を見ながら入浴する重要性

温泉は「たくさん入れば入るほど良い」というものではありません。自分の体調や体力に合わせて、無理のない範囲で楽しむことが大切です。

②休憩スペースの活用

多くの温泉施設には、休憩スペースが用意されています。入浴と休憩を繰り返しながら、ゆっくり過ごすことをおすすめします。

③無理せず楽しむことが大切

「せっかく来たのだから元を取らなきゃ」という気持ちで無理をすると、湯あたりして後悔することになります。短時間でも十分に温泉の効果は得られますし、何より体調を崩さないことが一番です。

④温泉に慣れるには時間がかかる

温泉好きな人でも、初めての泉質や久しぶりの温泉では、体が慣れるまで時間がかかります。最初は短時間から始め、徐々に慣らしていくのが賢明です。

まとめ

湯あたりは、温泉の成分や入浴による体への負担が原因で起こる一時的な体調不良です。

湯あたりの主な症状:

  • 倦怠感、疲労感
  • めまい、立ちくらみ
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 微熱
  • 入浴後、数時間〜翌日にかけて現れる

湯あたりの原因:

  • 長湯による疲労
  • 温泉成分による刺激
  • 脱水症状
  • 急激な温度変化
  • 体調不良時の入浴

湯あたりしやすい泉質:

  • 硫黄泉、酸性泉、放射能泉、炭酸泉など成分が濃い温泉

湯あたりの予防法:

  • 入浴時間を5〜10分に抑える
  • 分割浴を心がける
  • 水分補給をこまめに
  • 食後すぐの入浴を避ける
  • 刺激の少ない泉質から始める
  • かけ湯をしっかり行う
  • 体調が優れないときは無理しない

湯あたりになったら:

  • すぐに入浴を中止
  • 涼しい場所で休む
  • 水分・塩分補給
  • 安静にする
  • 症状が重い場合は医療機関へ

温泉は正しく楽しめば、心身をリフレッシュさせる素晴らしいものです。しかし、無理な入浴は逆効果になります。

自分の体調と相談しながら、無理のない範囲で温泉を楽しみましょう。短時間でも十分に温泉の恩恵は受けられますし、何より健康に楽しむことが一番大切です。

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